内視鏡クリニックで”安心して”働くために。チームで支える「もしも」への備え|急変時シミュレーション訓練を実施しました。

2026年6月22日

Categories: 院内勉強会, スタッフブログ

「もしも」のとき、あなたを一人にしない。全職種で備える当院の取り組み


「クリニックの看護って、急変があったとき少人数で大丈夫なのかな」
「もし何か起きたら、自分が一人で対応することになるのでは……」

総合病院からクリニックへの転職を考えるとき、こんな不安を感じる方は少なくありません。

最初に正直にお伝えします。内視鏡検査が中心の当院では、患者様の急変はめったに起きないことです。
それでも私たちは、看護師・医師・事務スタッフが連携した急変時シミュレーション訓練を、定期的に実施しています。

なぜか。
患者様の「安全」を守ることはもちろん、めったに起きないことに職場がどう備えているか
——そこに、その職場が「働く人をどう扱うか」が表れると考えているからです。

このブログでは、当院が”もしも”の瞬間に看護師を一人にしないために、何をしているかをご紹介します。


▌なぜ訓練するのか —「知っている」と「できる」は、まったく違うから


急変時の対応マニュアルを読んで内容を理解していることと、実際にその場で体が動くことは別の話です。緊急事態では、頭で考える前に「手と声が先に動く」水準まで練度を上げておく必要があります

そのために当院が選んだのが、処置室の実際の環境・機材・役割分担を再現したシミュレーションです。架空の教科書シナリオではなく、「この部屋で、このスタッフが、この機材を使って」対応する訓練を繰り返しています。

めったに使わない対応だからこそ、体に覚えさせておく。それは患者様のためであり、同時にあなたが一人で背負いすぎないためでもあります。


▌訓練の流れ — 全職種が役割を持つから、「一人で抱え込む」ことはありません


今回のシミュレーションは、内視鏡検査中に患者様のSpO₂が低下し、心停止に至るという想定で実施しました。
医師・前立ち看護師・横立ち看護師・応援看護師・事務スタッフと、クリニックの全職種が役割を担い、以下の流れで動きました。

ステップ内容
STEP 01 異変の察知と初期確認SpO₂低下を発見し、呼吸・脈拍を確認。全員に状況を声で共有する。
STEP 02 心停止宣言とCPR開始医師が心停止を宣言し、拮抗薬投与・AED・蘇生薬の準備を同時に指示。チームで役割を分担しながら初動を開始する。
STEP 03 応援要請・119番・記録開始インカムで院内に応援を要請し、事務スタッフが119番通報・理事長への連絡を担当。横立ち看護師が時刻と処置内容の記録を開始する。
STEP 04 AED・BVM・背板での蘇生継続胸骨圧迫30回・換気2回のサイクルを継続。AEDの波形確認と蘇生薬投与のタイミングを声で管理しながら救急隊到着まで蘇生を続ける。


注目していただきたいのは、急変対応が「誰か一人の責任」ではなく、チーム全員の連携で動くものとして設計されている点です。
前立ち・横立ち・応援、そして事務スタッフまで、全員に明確な役割がある。
だからこそ、「自分一人で抱え込む」状況は生まれません。

▌確認した技術・知識 —「どこにあるか分からない」をなくす

シナリオの実践と並行して、以下の機材・薬剤についてもチーム全員で確認しました。「どこにあるか」「誰でも迷わず動けるか」を検証することが目的です。

・緊急薬剤の保管場所と、医師の指示のもとで速やかに準備できる体制の確認
・AEDの操作手順(装着・波形チェック・ショック)
・バッグバルブマスク(BVM)を使った人工呼吸
・背板を使用した胸骨圧迫の手順確認

新しい職場で意外と怖いのが、「機材がどこにあるか分からない」という瞬間です。当院は、全員がそれを把握できているかを毎回検証します。転職してきたばかりの方も、経験の浅い方も、迷わず動ける——それを”仕組み”として担保しています。

▌振り返り — ミスを責めない。直すのは「人」ではなく「仕組み」


訓練後は全員でデブリーフィング(振り返り)を実施しました。「実際に動いてみての気づき」と「次回に改善したい点」をオープンに共有することで、スタッフ一人ひとりが自分の役割を客観的に見直す機会となりました。

ここで大切にしているのは、うまくできなかった点を個人の責任にしないという姿勢です。焦点を当てるのは「誰が間違えたか」ではなく「どこに手順の改善余地があるか」。気づきは手順書やチェックリストに反映させ、個人の頑張りに依存しない形で改善を積み重ねていきます。

安心して「できなかった」と言える。だから、次は「できる」に変わる。
これは患者様の安全のためであると同時に、ここで働くスタッフ自身の安心のための文化でもあります。

「もしも」は、めったに来ません。でも、その”めったにない瞬間”にどう向き合う職場かが、毎日の安心を決めます。当院が目指すのは、何かが起きたとき「このクリニックでよかった」と、患者様にもスタッフにも感じていただける職場です。

❓ よくいただく質問

Q. 内視鏡クリニックでは、急変対応の経験はあまり積めないのでは?
A. その通りで、当院は内視鏡検査が中心のため、急変はめったに起こりません。だからこそ、いざという時に備えた訓練を定期的に実施しています。大切にしているのは経験の”頻度”ではなく、もしもの時に看護師を一人にしない仕組みがある環境です。

Q. 経験が浅くても大丈夫ですか?
A. 急変対応はチーム全員の役割分担で動きます。機材の場所や手順は毎回で確認し、振り返りで仕組みを改善し続けているため、「一人で抱え込む」状況が生まれない設計になっています。



こんな職場を探していませんか?


「何かあったとき、一人にされない職場で働きたい」
「ミスを責められるのではなく、一緒に改善できる仲間がほしい」
 —— もしそう感じていただけたなら、一度当院を見学にいらしてください。

まずは見学だけでも大歓迎です。
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